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2013年5月13日 (月)

特別登録

日本ダービーの最終登録が締め切られ、皐月賞馬ロゴタイプを筆頭に22頭が登録を行った。

Derby  

今年の日本ダービーの優勝賞金は、これまでの1億5千万円から2億円に増額されることが既に決まっている。有力馬をお抱えのオーナーや出資会員の方におかれては、きっとテンションの上がる話であろう。南関東を根城にする馬主にしてみれば、東京ダービー1着分の賞金をポンと上積みしてくれる気前の良さは、俄かに信じ難いものがある。

「有馬記念と並んで国内2番目の高額賞金レースになった」との報道がなされているが、これは厳密には正しくない。1着馬に3千万以上もの付加賞が上乗せされるダービーの方が、実質的に有馬記念よりも実入りは大きい。

実は、はるか昔はさらに付加賞に重みがあった。例えば1着賞金が1万円の時代で、かつ付加賞制度のあった9回のダービーのうち7回は、本賞金より付加賞の方が多かったと記録に残る。すなわち馬主の負担が相当に大きかった。当時の登録料は200円だから馬主は1着賞金の50分の1を負担していたことになる。1着賞金2億円の現在に当てはめると、400万もの登録料を支払う計算だ。

そんな大金を一括で支払うとなれば、躊躇いがあっても仕方ない。そこで登録を4回に分けて行う方式(現在は3回)が取られる。何度も繰り返し行われるクラシック登録は、巨額な登録料の分割払いの意味もあって生まれた。

現在では、2歳秋の第1回登録が1万円、3歳1月の第2回登録が3万円、そしてダービー直前の最終登録に36万円を収めることになっている。合計40万円。第2回までの登録料はさほど負担を感じさせないが、それでもクラシック登録のない3歳馬は少なくない。

1950年はクモノハナが皐月賞とダービーの2冠を制したが、もしウイザートが出ていたら勝負の行方はわからなかった。なんとダービーの直前まで11連勝もしたウイザードに、クラシック登録がなかったのである。それから38年後、空前の競馬ブームを引き起こすオグリキャップにも登録がなく、ウイザードと同様、クラシックとは無縁の3歳春を余儀なくされている。

未登録の理由は能力判断によるところがもっとも多いと思われるが、意外にも関係者の手続き忘れというのも後を絶たない。馬にしてみればたまったものではなかろう。そこで登場したのが追加登録制度という救済手段。未登録の馬でも一定の資格を得て200万円を払えば、クラシックに出られることになったのである。テイエムオペラオーやヒシミラクルが、この制度を利用してクラシックを制したのは記憶に新しい。

Tm  

「レースに出走するだけで200万も!?」。競馬を知らぬ人は驚くかもしれない。だが、アルゼンチン2冠馬ジェントルメンは、1998年のブリーダーズカップに挑戦するために、80万ドル(当時のレートで約9600万円)もの追加登録料を支払っている。まあ、これは極端な例としても、海外のビッグレースの追加登録料は1000万円前後のケースがほとんど。日本の追加登録システムは、欧米に比べれてずいぶんと値頃感が漂う。

ちなみに、9600万円を支払ってブリーダーズカップへの出走を果たしたジェントルメンだが、あろうことか鼻出血による競走中止の憂き目を見た。こういうとき、関係者はいったい何を思うのだろうか。私なら悶絶死するに違いない。

 

 

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