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2013年5月27日 (月)

名前のちから

「ウチは白帽に縁がある。大丈夫」

Yutaka  

私の隣に立つ人物が自らに言い聞かせるように呟いた。その視線の先には1枠白帽を被った武豊騎手の姿。どうやらノースヒルズの関係者のようだ。

なるほど、ノースヒルズの勝負服がGⅠを勝ったシーンを思い出すと、たしかに白帽であることが多いように思う。

ノーリーズンの皐月賞に、

Noreason 

ヘヴンリーロマンスの天皇賞・秋。

Heavenly_2 

さらにはアーネストリーの宝塚記念、ビリーヴの高松宮記念、ビートブラックの天皇賞・春、そしてキズナのお姉さんファレノプシスがエリザベス女王杯を勝った時も1枠白帽だった。

キズナを管理する佐々木晶三調教師も、1番枠を引いたと聞いて表情が緩んだという。佐々木師は過去にGⅠレースを4勝しているが、うち3勝が1枠白帽でのもの。ゲンが良いと喜んだのも、無理はない。

逆に言えば、大の大人が縁にすがり、ゲン担ぎに一喜一憂するほど、ダービーは怖ろしいということであろう。完璧の仕上げで、完璧なレースをしても、それだけではダービーは勝てない。なぜか。ほかの17頭も同じように死力を尽くすからである。だから「運」の出番となる。勝敗が運に左右されるのだとしたら、ほんのわずかでも運を味方につけたい。

Kizuna_2 

キズナは、その心に響く馬名が与えられた瞬間から、そんな「運」を身につけていたのではないか。命名の経緯についてはあちこちに書き尽くされているので割愛するが、ダービー馬となるに相応しい、なにか特別な力を感じる馬名である。皐月賞馬を抑えて1番人気に推されたのも、この不思議な馬名と決して無関係ではあるまい。

ビリーヴ、スティルインラブ、サーガノヴェル、ラヴェリータ……等々。前田オーナーのその美しいネーミングセンスには定評がある。かつてはオーナーの名前から「マエコウ」の冠名を使っていた時期もあったが、牧場名を「マエコウファーム」から「ノースヒルズマネジメント」に変更したの機に冠名の使用をやめた。以来、馬たちは大活躍に転じ、ついにダービーの高みに到達したのである。

「命名」は馬主が直接馬に関われる唯一の仕事だという。そういう意味においても、前田オーナーの仕事ぶりは傑出していた。

 

 

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