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2013年5月 9日 (木)

実況を聞き分けろ

ゴール前でハナやアタマの接戦になった時、勝ち馬の撮り逃しのリスクをいかにして減らすかという話の続き。

Boku  

たいていは、ターフビジョンで各馬の脚色を見極めた上で、1着になるであろう馬を撮るのだが、ターフビジョンで横一線だったり、そもそもターフビジョンにすら映らないような最後方から飛び込んでくる馬がいると、現場は大混乱となる。特に人気薄馬に飛び込んで来られてしまうと、撮る方もマークが薄いからタチが悪い。だから、カメラを構えつつ、目はファイダーの中で繰り広げられる攻防を注視し、耳は場内実況に神経を研ぎ澄ませることになる。

1番人気のビリーヴが中山の急坂を駆け上がって先頭に立ち、「よし、ビリーヴだ!」とビリーヴにフォーカスを合わせたその時に、「お~ぉそとから、デュランダル!!」という場内実況が耳に飛び込んできたら、瞬時にレンズを外に振ってデュランダルの勝負服を探すことになる。だから、アナウンサーと同じように、我々もレースに出走する馬の勝負服を覚えておかなければならない。

ただし、実況アナウンサーの中には、どう転んでも届くはずがないのに、「大外からイナズマクロスがやって来た!」(1991年エリザベス女王杯)みたいなセリフを織り交ぜる人がいるので、そういった意味での注意は必要。レースが始まったら、「あ、このアナのゴール前実況は2割引で聞かなきゃダメだな」という具合に、自分なりのサジ加減が求められる。それでも、「これは差し切る勢いだ!」というフレーズには弱いですね。これ聞くと、ついそっちを撮っちゃうんだけど、あとで結果見たら半馬身も届いてないなんてことは結構ザラにある。

そもそも、場内実況アナウンサーは我々のために勝ち馬を教えてくれているワケではない。場内のファンにレースの熱気を伝えるため、多少無理があったとしても、大外から豪快に追い込んで来る馬を探し出して、聞く人にそれを伝える必要があるのだろう。

逆に、勝ち負けになりそうな脚色で追い込んで来ているにも関わらず、実況がいっさい触れてくれないケースもごく稀にある。

2003年の目黒記念は直線で最内から抜け出したメジロランバートを、大外からレディパステルが追い込む展開。

場内実況もレディパステルとメジロランバートの名前を連呼し続けたが、ゴール直前はほとんど「メジロランバート!メジロランバート!!」の繰り返し。こりゃメジロ優性だろうと、メジロランバートを厚めに撮り、念のためレディパステルも数コマ抑えた。

Lady  

だが、実際に勝ったのは、実況が一度たりとも名前を呼ばなかったトシザブイだったのである。

しかも、メジロランバートはレディパステルにすらアタマ差及ばず3着なんですよ。

まあねぇ、単勝万馬券のメジロランバートが勝ち負けになりそうだっていうのは興奮に値するとは思う。しかし、ハナやアタマならまだしも、レディパステルをクビも差し切っていたのだから、「トシザブイ」という声を一回くらい聞きたかった。

とはいえ、昨日紹介したローブデコルテとベッラレイアのオークスでは、かなり際どい接戦だったにもかかわらず、実況アナがローブデコルテの勝利を断定的に伝えていたことも、ここでは強調しておきたい。かなり勇気のいる実況であろう。さすがプロだなぁと思う。実況に惑わされることより、助けられるケースの方が多いことは間違いない。

 

 

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