« 牛タンリベンジ | トップページ | 健全なレジャー »

2013年4月29日 (月)

ドレスコード

「サポーターズクラブ写真撮影【ごく軽度のドレスコード】ご協力お願いします」

こんなタイトルのメールが届いたのは先週のこと。差出人は、道営競馬のサポーターズクラブを運営する「ホッカイドウ競馬ひだか応援隊」である。なんでも、サポーター特典のひとつである口取り撮影への参加時に、サンダル履きやTシャツ一枚といったラフな格好で現れるサポーターが現れて、クラブに協力している馬主サイドから苦言が入ったというのだ。

それにしても、「ごく軽度のドレスコード」という表現は絶妙だ。「無理を強いているわけではありません。常識で考えればわかるでしょ」というニュアンスが言外に漂っていて、ついつい笑ってしまう。それにしても、サンダル履きで口取りに入ろうという人がいるんですね。

Kuchitori 

そういえば社台系のクラブでも、地方競馬場で優勝した際、口取り撮影に臨む出資会員にジャケットの着用をお願いする文書を出している。地方競馬では馬主に対する厳格なドレスコードはないものの、やはりTシャツにジーンズという格好で口取りの綱を握る会員が出たとかで、異例の通達となったようだ。

「地方なら気軽に馬を持てる」という思いで出資した会員の中には、気分を害する向きもあろう。だが、私個人はこうした指針に異を唱えるつもりはない。中央であれ地方であれ口取り式とはセレモニーであり、そうした場にはそれにふさわしい服装というものがある。いやそれ以前の問題として、愛馬の出走に際しぞんざいな服装でいることは、命を賭して走る馬に対し礼を失する行為に思えてならない。

ファンについても同じことが言える。命の次に大事な金を賭ける場に臨むにあたって、軽々しい服装では大勝利など夢のまた夢であろう。Tシャツにジーンズという格好では、首尾よく帯封をせしめても、それをしまう場所がないではないか。

戦前の競馬ファンは、中折れ帽子をかぶって競馬場に足を運ぶのが常であった。身なりを整える仕上げとして、帽子を日常的にかぶっていた時代のことである。今では日本ダービー当日の馬主席くらいでしか見ることのできぬ光景だ。

当時の競馬場では、馬主エリアでなくとも、ネクタイもしくは袴の着用が義務づけられていた。それで競馬場周辺には、貸しネクタイや貸し袴の店が繁盛していたとも聞く。今も各競馬場の馬主受付には貸しネクタイコーナーがあり、貸し出し簿をチラ見する限り思いのほか利用頻度は高い。

Tie  

最高の格式を誇った天皇賞ともなれば、新品の紋付袴を用意する馬主もいた。むろん、表彰式に対する配慮である。すると「あの馬主は式服を用意しているから勝負気配だ!」などという裏情報が場内を駆け巡ったりもしたという。

昨秋、社台グループのパーティーで挨拶に立った元衆院議長・河野洋平氏が、むかし天皇賞に地方出身馬が勝った時、長靴履きで表彰台に上がった関係者がいたエピソードを紹介した。その上で、「最近は中央はもちろん地方競馬でも関係者の身なりがきちんとしてきた。こういうことの積み重ねで、競馬が良くなり、ひいては天皇陛下の競馬場御行幸が実現することにもつながった」との祝辞を述べられた。乾杯直前ということもあり、若干聴衆は飽きていた感も否めなかったが(笑)、私は氏の見解に大きく頷く。ファンや関係者の外見がその競技のイメージに与える影響は、決して小さくはない。

「長靴」と言えば、築地で働く人たちは長靴に手カギやら懐中電灯やらを入れて歩いているものだが、土曜になると折り畳んだ競馬新聞を突っ込んでいる姿をやたら目にする。これはこれでなかなか格好が良いですね。市場内において長靴はソシアル。むろんドレスコードに問題はない。

Chukiji

|

« 牛タンリベンジ | トップページ | 健全なレジャー »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 牛タンリベンジ | トップページ | 健全なレジャー »