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2013年3月10日 (日)

奇跡の1頭

Crown  

昨日行われた桜花賞トライアルのアネモネSは、2番人気のクラウンロゼが直線で抜け出して優勝。無傷の3連勝で桜花賞に向かうこととなった。

父ロサードは昨年のサイアーランキング204位。クラウンロゼの世代となる2009年には6頭との交配が確認されている。誕生した産駒はわずかに3頭。そこから競走馬となったのはクラウンロゼのみという状況だ。2010年以降は種付けは行われていない。そんなマイナーな種牡馬の産駒から重賞ウイナーが出たとなれば、種牡馬ロサードにスポットが当たるのも当然だが、クラウンロゼの血統のすごいところは父のみならず、母の父もマイナーであることにある。

母の父は2005年のスプリンターズSを勝ったヒシアケボノ。昨年のサイアーランキングは569位。ブルードメアサイアーランキングは535位。実質的にランキングの埒外といっても差支えあるまい。

3歳7月を迎えた時点では一介の未勝利馬に過ぎなかったヒシアケボノは、怒涛の4連勝で翌8月にはオープン馬に。9月には初めて重賞にチャレンジして3着。10月のスワンSで初重賞制覇。11月にはGⅠ初出走を果たして3着。そして12月のスプリンターズSでGⅠ制覇である。未勝利馬からGⅠ馬へ駆け上がった奇跡の半年間。ここで種牡馬入りしていれば、彼の将来は違ったものになっていたであろう。

だが、そう決断させるにはスプリンターズSの勝ちっぷりがあまりに強烈過ぎた。あるいは640万円という安価な購入価格ゆえ、もう少し箔が欲しいと関係者が考えたのかもしれない。だが、そこからまる2年間、16戦に渡って勝ち星ゼロ。オープン特別で5着に入るのがやっとという有様では、評価下落も仕方なかった。

俗に一流馬ほど引退決断は難しい。理想はGⅠを勝った後も勝ち続けることだが、それが簡単でないことは過去の名馬たちが図らずも証明している。ロジユニヴァースはダービー以来4年近くも未勝利。一昨年のオークス馬エリンコートは、今日の中山牝馬Sでしんがり負けの屈辱を味わっている。

97年のスプリンターズ9着を最後に、青森で種牡馬入りしたヒシアケボノの産駒の中に重賞勝ち馬はいない。稼ぎ頭はJRA4勝を挙げた牝馬のヒシアスカ。その彼女こそクラウンロゼの母である。クラウンロゼが前走で勝った重賞フェアリーSは、ロサードのみならずヒシアケボノにとってメモリアルな勝利であった。そんな血統を持つ1頭が桜花賞に出る。それだけで奇跡と呼ぶに十分な出来事であろう。

Hisiake


 

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