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2013年3月18日 (月)

チャンピオンの春

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昨日の阪神大賞典(GⅡ)は、かつてはJRAの重賞のなかでも最も堅いレースのひとつであった。レースが落ち着く3000m。有力馬に有利な別定重量。そして少頭数。波乱を引き起こす要素が、そもそも少ないのである。

だが、ディープインパクトが勝った2006年を最後に、昨年まで1番人気馬は6連敗。あのオルフェーヴルでも勝てなかった。阪神大賞典はレースの本質からして変わってしまったのだろうか   

そう思いながら観た昨日のレースはゴールドシップが1番人気に応えて圧勝。ホッと胸をなでおろす、とまではいかないにせよ、なんとなく落ち着いた。強い馬の強い競馬を見るためのレースは、やはり必要だと思う。

それでも、この10年間で見れば、1番人気の勝利はゴールドシップを含めて3頭しかいない。その前の10年間は1番人気が8勝。残る2年も2番人気の馬が勝ち、1番人気馬は2着には来ていた。単勝の平均配当は、1994~2003年の188円に対し、2004~2013年は871円。この10年の荒れっぷりは目に余る。10年前にいったい何が起きたのだろうか。

2003年といえば、サンデーサイレンス産駒がいよいよ本格的に日本競馬を席巻した年でもある。史上初となる年間303勝。重賞勝利は38にもおよび、うちGⅠレースでは年間施行数のほぼ半数にあたる10勝をマークした。何より、牡馬クラシックの掲示板をすべてンデーサイレンス系種牡馬の産駒で占めたことが、この年のサンデー旋風の強さを物語っている。

一方で、大舞台でのスローペースが問題になり始めたのもこのころではなかったか。2004年の春の天皇賞で人気を集めたのは、阪神大賞典を勝ったリンカーンと、産経大阪杯を勝ったネオユニヴァース。脂の乗り切ったサンデーサイレンス産駒の4歳馬である。だが、両馬はともに2桁着順の惨敗を喫した。勝ったのは逃げ切りのイングランディーレ。この年を境に、阪神大賞典も春の天皇賞も波乱が続出している。もともと2000m前後のレースで爆発的な切れ味を発揮するサンデーサイレンス産駒の有力馬が増えたことで、極端なスローペースが蔓延。結果、レースに紛れが生じるようになった   そんな仮説を聞いたことがある。

さらに、チャンピオン級の古馬が、天皇賞ではなくドバイに向かう傾向が強くなったのも、この10年のことだ。「極端なスローの競馬を経験すると、馬がおかしくなる」と、春シーズンを休養に充てる有力馬も少なくない。ここ数年の女傑の活躍のあおりを受けて、ヴィクトリアマイルが王道路線になりかけたという事実もある。チャンピオン級の古馬の出走自体が少なくなったのだから、相次ぐ阪神大賞典の波乱も仕方がない。

昨年行われたJRAの平地競走は3321鞍。うち、3000m以上のレースはわずかに6鞍しかない。0.18%という極めて狭い領域内で覇を争うことの意味が問われ始めている中で、チャンピオン級古馬たるゴールドシップの勝利は大きな意味を持つ。芦毛馬の阪神大賞典優勝は、ゴールドシップにその芦毛を伝えた偉大な母の父・メジロマックイーン以来21年ぶり。久しぶりに一見の価値ある春天になりそうだ。

Gold

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