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2013年2月22日 (金)

いいことは続かぬもの

Gas  

昨日の大井4レースを勝ったガスタンクは11頭立ての11番人気。その単勝オッズはなんと113倍!

単勝万馬券という大荒れの結末に場内はざわめいた。だが私は抱いた感慨は、「うわっ大穴だ!」ではなく、「こんな名前の馬が勝つのか?」なんてものでもなく、「コイツは困ったゾ……」というものだった。

話は数時間前に遡る。

朝から春を思わせる穏やかな陽気であった。ゆっくりと家を出て、図書館に立ち寄り、空いた電車に揺られて大井町に到着したが、それでもまだ時間にゆとりがあったのでスタバで読書をしながらコーヒーを楽しむ。平日の午前中として、これ以上のぜいたくな時間の使い方があるだろうか。私が関与する馬が走る大井5レースまでには、まだたっぷり時間がある。携帯から前売りオッズを確かめてみると「1.2倍」とあった。言うことはない。

ところが、競馬場について最初に見た4レースで、大穴が出てしまったのである。大穴がいけないというのではない。その騎手が矢野貴之騎手がであったことが引っ掛かった。彼は、次の5レースで私の目当ての馬の手綱を取ることになっているのである。

馬主であれ、馬券を買うファンであれ、勝負と決め込んだレースのひとつ前に、勝負馬の騎手が勝ってしまって不安になった経験はお持ちであろう。別のところで運を使ってしまったと思うし、同一騎手の連勝は難しいことを肌で知っているからである。それが武豊や戸崎圭太ならまだしも、矢野貴之である。「連勝なんてないよなぁ…」と思ってしまうのも無理はない。先ほどまでの晴れやかな気分は既にどこかへ消え去り、私の心はすっかり不安の渦に呑み込まれていた。

「それでも単勝1.2倍なら大丈夫だろ!」

そういう人もいらっしゃるかもしれない。でも、話はそう簡単ではない。矢野貴之騎手の昨年の成績は474戦して22勝。勝率4.6%である。JRAで言えば454戦21勝、勝率4.6%だった古川吉洋騎手に近い。JRAの、特に関西のファンの方は古川騎手が連勝するシーンを想像できるだろうか? 勝率4.6%の騎手が連勝する確率は0.2%。「500回に一度の奇跡がこれから目の前で起きるぞ」と言われても、信じ切るのは難しい。

案の定、私の応援する一頭は大惨敗を喫した。本来勝ち馬から2秒半も離されるような馬ではない。前走で1200m戦を圧勝して今回は1400m戦である。距離延長にどう対応するのか。そのあたりがカギだと思って見ていたのだが、なんのことはない前回と同じ1200mの競馬をしようとして負けた。他の馬とは思っている距離が違うのだから、負けて当然である。

「連勝は難しい」なんてのは単なるジンクスだという人もいるし、私もある程度はそれに同意する。現に戸崎騎手は10、11レースと涼しい顔で連勝を果たした。だが、それは連勝に慣れた人の話。私が知る限り、矢野騎手は大井移籍後、同一開催日に連勝を記録したことはないはずだ。

勝った直後は意識が変わってしまう。勝つことの意識の薄かった最低人気馬で勝てばなおさらである。それは、人の次の行動に多かれ少なかれ影響を及ぼす。意識するなと言われても難しい。無意識を意識した時点で、すでに行動は変わったものになる   というのは、さっきスタバで読んだ養老猛司氏の著書『「都市主義」の限界』にあった内容。帰途に再読してみたが、さっき読んだ時とは感じ方がまるで違う。養老氏によればこれも意識の活動として当然のことなのだそうだ。

誤解のないように付け加えておくが、矢野騎手は決してヘタではない。それは彼が高崎に在籍していた当時から、私はよく知っている。一緒に口取りに写ったこともある。実際、昨日は8レースでも勝った。要はイイことは長続きしないということ。誰もが知る真理であろう。

Starba  

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