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2013年1月13日 (日)

ダート1800大外枠の明暗

Solo  

「ヤロウ、レースを捨てやがった!」

私の背後の席から怒りに満ちた声が上がったのは、中山7レースの馬群が4コーナーに差し掛かったあたりだったか。声の主はスタートからずっと1番人気のヴィオラーネに声援を送っていたのだが、直線に向いたときヴィオラーネの柴田善臣騎手は追うのを諦めていた。下位人気馬に次々と抜かれて、惰性でゴールを果たしたのは11番目。思わず故障を疑ったが、騎手が馬から降りる気配はない。勝ち目が薄くなったレースへの対処にはさまざまなケースがあり、一概にこうすべしと言い切ることは難しいのだが、コワモテのおじさんを背後に背負う身としては、ヨシトミ騎手には最後まで全力で追ってほしかった。

昨年の今ごろは牡馬相手のオープンで接戦を繰り返していた馬である。休養明けを叩いた2戦目。しかも牝馬限定の平場500万レースとなれば、人気を集めるのも無理はない。だが、その一方でデビュー以来7戦目にして初めてとなるダート競馬。しかも大外16番枠。1番人気とはいえ単勝2.9倍というそのその数字に、ファンの迷いが表れていたように思う。

実はダートを進言したのは柴田善臣騎手自身だったとも聞く。芝ダート兼用のフジキセキ産駒であるし、なによりこの時期の番組事情を思えば、ダートにメドが立つことの意義は小さくはない。だが現実はそんなに甘くはなかった。お母さんも兄弟たちもほとんどが芝で活躍していることを考えれば、「ダートは苦手」と結論付けられても、それを否定する材料は現時点では見つからない。

9レースの黒竹賞には、あのソロルが出走してきた。圧倒的強さで1位入線しながら降着の憂き目を見た芝のデビュー戦から2か月半。父がシンボリクリスエスで自身はゴールドアリュールの近親という血統背景に加え、やはり冬場の番組のことを考えダートに矛先を変えたわけだが、こちらの方は大正解だった。ダートの未勝利戦を楽勝してここに駒を進めてきたのである。

レースは大外枠で出遅れ、外々からの競馬を強いられたのはヴィオラーネと同じ。しかも、4コーナーで先団に取り付こうと動いた時、内にいたロバーストナカヤマに接触して外に弾かれてしまった。キャリアの少ない3歳馬ということを考えれば、レースが終わってもおかしくないシチュエーション。だが、そこから猛然と追い込んで、ゴール寸前ではついに差し切ってみせたのである。人馬ともども、その勝負根性には頭が下がる。

これでソロルは4戦して3度目の1位入線を果たしたわけだが、その3度とも外国人ジョッキーでだったことは無視できまい。馬を動かすという技術よりもまず、どんな状況でも上の着順を目指そうというその姿勢に目を奪われるのである。有馬記念のルーラーシップにしても然り。出遅れや接触は、敗因としてこれまで幾度となく聞かされたいわば言い訳の王道。そのおかげで、我々はそれをすっかり「致命的な事象」と思い込んでしまったフシがあるのだが、実は案外それほど大きなファクターではないかもしれない。

Viuy 

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