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2013年1月11日 (金)

ふんじゃあ3連勝記録は?

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「天才が驚異の1日8勝!! 武豊騎手(33)=栗東・フリー=が7日の阪神競馬でJRA新記録となる1日8勝の偉業を達成した。従来の記録は自身(4回)のほか安田隆行、南井克巳、(現調教師)、横山典弘、蛯名正義の6勝だった」(2002年12月8日付サンケイスポーツ)

スポーツの世界に限ったことではないが、新記録が樹立されたことを記事にする場合は、このように塗り替えられたそれまでの記録を附記して紹介するのが一般的。それが記録更新の裏付けともなる。

だが、シンザン記念当日の京都で㈱栄進堂が達成した「同一馬主による4連勝のJRA記録達成」を報じたどの新聞にも、従来の記録を紹介した記事を見つけることはできなかった。おそらくJRAからのリリースに記載が無かったのだろう。JRAでも同一馬主による同一場の連勝記録までは洗い切れなかったのではあるまいか。

スポーツと記録は表裏の関係にある。プロ野球ではセ・パ両リーグにそれぞれ記録部があるのに、JRAやNARには総務部や企画部に並ぶ位置付けとしての「記録部」という組織は存在しない。だからたまに記録上の混乱が起きる。それで「スポーツ・オブ・キングス」を標榜し、さらに「近代競馬150周年」を謳うのも、果たしてどうかと思う。

筆者がざっと調べたところでは1885年10月25日の不忍池秋競馬2日目で「分部氏」の所有馬が2~4レースを3連勝しているのをはじめ、E.H.アンドリュース氏(名義は「Nemo」)は、1889年10月29日根岸秋季競馬初日の5~6レース、1889年10月30日根岸秋季競馬2日目の7~9レース、1890年5月2日根岸春季競馬3日目の2~4レースと、3回にわたって3連勝を記録している。

残念ながら4連勝の記録を探し当てるには至らなかったのだが、私が参照した資料には馬主名が記されていなかったり、勝ち馬そのものが「不明」などとなっていたりするレースもあるので、ひょっとしたら4連勝も達成されていたのかもしれない。まあ、興味のある方は、ぜひとも全容解明に取り組んでいただきたい。

ただ、こうして調べてみて思ったのである。そもそも馬主の連勝記録というものは、いったいどれほど価値のあるものなのだろうか。

もちろん馬の連勝記録には意味がある。騎手の連勝記録にしても、調子や技量を勘案する上で意味がないとは言えないだろう。だが、馬主や厩舎の連勝記録は、めぐり合わせによるところが大きい。立て続けにウイナーズサークルに降りていく馬主本人にとってみればテンションが上がる出来事だろうが、馬券を買うファンにしてみれば「同じ出目が続いた」程度の受け止め方がほとんどなのではなかろうか。

また、馬主の立場に立てば「連続勝利数」よりも「トータル勝利数」が多い方が嬉しいに決まっている。先週の土日に㈱栄進堂さんが手にしたトータルの勝利数は、実は日曜京都の5勝のみ。むろんそれだけでも凄い数字であることには違いないのだが、「今週の勝利数」という視点に立てば5勝や6勝というのはさほど珍しい出来事ではない。2004年8月14日の札幌で5勝を挙げたと紹介されたサンデーサラブレッドクラブは、その週のトータルで7勝を稼いでいる。

ともあれ、今回の記録達成に対し、ただちにリリースを出したJRAの対応は悪くなかった。きっと慌てて調べたのであろう。かつてニシノライデンが春の天皇賞で斜行・失格となった際、競馬会の担当者が「前例があるのかどうか分からない」と右往左往していたことを思い返せば、まさに隔世の感を禁じ得ない。

Ashin

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