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2013年1月21日 (月)

騎手が足りない!

Jump1  

20日に行われた中山と京都の障害戦2鞍の出走馬が騎手不在のため取消になったことは、「31年ぶりの珍事」として広く報じられた。中山4Rのフォレストリーダーに騎乗予定の金子騎手、京都4Rのエーシンテュポーンの北沢騎手が、それぞれ19日の牛若丸ジャンプSで落馬負傷。乗り替わりの騎手が見つからなかったのである。2つのレースで取消が生じる事態に至ったことを思えば、もはや異例中の異例と言っても差支えあるまい。

31年前の顛末を簡単に紹介する。取消が発生したのは1982年1月24日中山7R。偶然にも今回と同じAJCCの当日である(優勝馬はアンバーシャダイ)。ダート1800mフルゲート16頭の一戦は、よりによって見習い騎手限定戦であった。

そのレースに7枠14番で出走を予定していたサントモに騎乗予定の菅沼騎手が、あろうことか前日の障害戦で落馬、負傷してしまったのである。見習い騎手限定戦である以上、代役が誰でもいいというわけにはいかない。当時関東には19人の見習い騎手がいたが、出馬表に名前のない柏崎騎手と佐藤吉騎手はやはり負傷で休んでおり、仁平騎手は中京に出張中だった。

慌てた関係者は関西に騎乗者を求める。関西所属の見習い騎手11人のうち騎乗予定のないものが1人だけいたが、残念ながら平地競走の免許を持たない障害専門騎手であった。万策尽きた稗田調教師と馬主はサントモの取消を決めたという。

今回、取消が発生したのは縛りのキツい見習い騎手限定戦ではない。しかもそれが関東と関西のそれぞれで起きたのであるからコトは重大だ。

「そういえば、さっき(柴田)大知を見かけたぞ。彼が乗ればいいじゃないか」

日曜中山のスタンドで、問題のレースの出馬表を見ながら隣の知人に言った。障害に乗る騎手がそんなに切迫しているとは思えない。代わりはきっといるはずなのである。

「大知ねぇ。怪我から復帰してからは障害には乗ってないようだなあ……」。机のモニタを眺めながら知人は言った。そういえば中山大障害のマジェスティバイオには、大知ではなく山本騎手が乗っていたような気がする。

「それなら大庭和弥がいる。昨日のメインを勝ったくらいだから怪我なんてことはないだろ?」

「いや、彼は障害から足を洗ったって聞いたぞ」

「は? また、なんで?」

「騎乗技術を磨くためだとか言ってたな」

「なんだそりゃ。そういや穂苅はどうしたんだよ?」

「去年引退しただろ!」

「え? そうなの?」

3年前に実施された厩舎制度改革の影響で、ここ数年は騎手の引退が早まる傾向にあるわけだが、とりわけ障害で活躍する若手騎手の引退が目立つ。いや、「やむなく障害で活躍していた若手騎手」と言った方が正確かもしれない。ともあれ、昨年だけでも穂苅、今村、水出といった障害レースの乗り手が鞭を置いた。

一方で、馬主経済の変化により近年では入障する馬は増える一方だ。1992年に8.4頭だった障害レースの平均出走頭数は、20年後の昨年は12.6頭にまで増えている。

こうした事実は、今回のような事態が「31年ぶりの珍事」の枠には収まらない可能性を示唆してやいないか。

ならば個人的には「調教師や調教助手に転じた元障害ジョッキーが、いざという時に手綱を取る」という案を推したい。田中剛調教師や柴田未崎助手がレースに乗るところをまた見たいという個人的願望に過ぎないのだけど……。

Tanaka

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