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2013年1月30日 (水)

夜汽車に乗って

Ginga  

鉄道の話が続く。

遅くなった仕事の帰り。いつも何気なく利用している駅で、夜行列車の行先案内がふと目に留まり、そのまま飛び乗ってしまいたくなるような衝動に襲われた経験をお持ちではありませんか?

私はあります。鹿児島や長崎といった見慣れぬ土地への夢や憧れ、あるいは古里への郷愁。夜行列車にそんな思いを重ねた貴兄は決して少なくあるまい。だが、それも昔話になりつつある。

「食堂車を見かけなくなった」と昨日書いたばかりだが、あれほど興隆を極めた夜行列車たちが姿を消して久しい。

ビワハヤヒデの神戸新聞杯は、夜行急行「銀河」に揺られて見に行った記憶がある。新幹線なら2時間半の距離も、在来線急行だけに8時間以上を要した。しかも、それで料金が新幹線より高いのだから不合理も甚だしい。ただ「旅」の本質は目的地での見聞のみならず、その行程にこそあるというのは昨日も書いた通り。そう思えば、合理性を追求するあまり目的地の周遊以外はおろそかにしがちな現代の風潮にこそ誤りがある。

なんて、偉そうなことを書いておきながら、実は合理性を求めて夜行列車を利用したこともある。これも10年以上前のことだが、日曜の函館競馬場から月曜の静内のセリに移動するのに夜行急行「はまなす」を利用した。夏のセリシーズンになると誰もが直面する「函館競馬終わりの静内への移動問題」だが、このルートを見つけた時は、ついに長年の問題が解決したと喝采を叫んだものだ。

7時間(当時)にも及ぶクルマの運転は論外。飛行機で丘珠まで飛んで一泊し、翌朝クルマで3時間というのも、幾度にも渡るチェックインやら何やらで面倒極まりない上に高い。特急「北斗」から日高線に乗り継いでも、静内到着は深夜になってしまう。

そこで急行「はまなす」である。函館での時間がたっぷり確保できる上に、現地到着もセリ開始にちょうどよい朝のうち。むろん宿を手配する必要はない。なぜこれに気付かなかったのであろうか。

もし馬券で儲かったのなら、『鮨金』で思う存分寿司を堪能するのもよし。もし惨敗を喫したならば、函館ナイター競輪で取り返すのもよし。勝ち負けトントンならば、谷地頭の市営温泉にゆっくり浸かって汗を流し、函館山の夜景を楽しむのもよろしかろう。でも、まあ、だいたいどのコースを辿っても、「はまなす」に乗る頃は疲れも溜まってきてぐっすり眠れそうだ   と思いきや、車内では眠ろうにもなかなか寝付けず、結果クタクタになって目的地に到着することになるわけですけどね。喝采を叫んだわりには、一回やっただけで「もうコリゴリ」になってしまった(笑)

とあるJRAの騎手が、船橋の交流競走に騎乗した翌日に函館で追い切りに乗らねばならなくなった。だが、レースを終えてからでは函館行き最終便には乗れず、かといって翌朝の一番機では追い切り時刻に間に合わない。そこで、夜の便でいったん千歳に飛び、南千歳駅で上りの「はまなす」に乗りこみ、翌朝の追い切りに間に合わせたという話を聞いたことがある。

上り「はまなす」の函館到着って、2時52分ですよ。

これは凄い。さぞかし疲れたことだろうと思ったのだけど、ぜんぜん苦にはならなかったそうだ。疲労感よりも、充実感や達成感の方が上回ってしまうのだと言う。ふーむ、プロですね。あの日セリ会場で居眠りばかりしていた私は、プロには程遠いということです。

Hamanasu  

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