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2012年12月16日 (日)

殺し馬券

Roen  

少々物騒な言い回しだが「殺し馬券」なる馬券を買うことがある。

ここ一番、何を差し置いても勝って欲しいという馬がいるレースで、ライバルとなりそうな有力馬の単勝を買うのである。私の運の無さと馬券の下手さ加減とが、あまりに突出しているゆえに成り立つ馬券であることは言うまでもない。私が買う馬券がことごとくハズれるのならば、それを逆手に取って便利に使ってやろうという、まあ一種のおまじない。だが、これが案外結果を残しているのである。

問題は、どのレースを「ここ一番」と定めるか?ということだ。ほとんどのレースで殺し馬券を買っていては、遅かれ早かれ競馬というものがつまらなくなる。大きな記録のかかったレースや日本馬の海外遠征に帯同した時、むろん自分の所有馬が走るときが「ここ一番」に該当するだろうか。

ただし、海外では私の神通力も通じぬのか、購入した殺し馬券が当たってしまうことが間々ある。1995年9月にロンシャン競馬場で行われたGⅠ・ヴェルメイユ賞。日本から遠征したダンスパートナーへの応援のつもりで、最大のライヴァルである仏オークス馬・カーリングの単勝を買ったら、これが見事に圧勝してしまった。我が日本のオークス馬・ダンスパートナーはあろうことか6着。シクシク泣きながら僅かばかりの払戻金を受け取りつつ、海外GⅠの壁の高さを痛感したものである。

そのカーリングが日本に輸入され、持ち込み産駒となるローエングリンが重賞4勝を挙げて種牡馬となり、その産駒ロゴタイプがなんと朝日杯を勝ってしまった。世代サイクルのあまりの速さに戸惑うと同時に、あの日私の殺し馬券が功を奏してカーリングが敗れていたら、日本に輸入されることもなく、結果ロゴタイプも誕生していなかったかもしれない、などと自分勝手な想像を巡らせてみたりもする。

14番という不利な枠順をはねのけてレースレコードタイで駆け抜けたロゴタイプの勝利は決してフロックなどではあるまいが、圧倒的人気のコディーノに“不利”がなかったわけではない。新潟2歳Sの覇者・ザラストロにどうしても勝たせたい事情があった私は、実は朝日杯を「ここ一番」と見定め、1番人気コディーノの単勝を勝っていたのである。

まあ、「殺し馬券」云々は根拠もなにもない冗談に過ぎないにしても、GⅠの舞台で単勝1.4倍を打ち砕いたとなれば、「ひょっとして俺のせいか……?」などと、ついつい考えてしまうもの。朝日杯が東西統一の2歳チャンピオン決定戦となった1991年以降、ここで負けた馬がダービーを勝った例はないと聞けば、胸が痛まぬこともない。これ以上他人に迷惑をかけぬため、有馬記念で単勝馬券を買うことは自粛しようか。

Baken


 

 

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