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2012年12月31日 (月)

2012年の終わりに

Kaika  

大晦日恒例の東京2歳優駿牝馬を勝ったのは1番人気のカイカヨソウ。道営出身馬の優勝は6年連続のこととなる。

加えて川島正行調教師&戸崎圭太騎手とのコンビは、この5年間で(3,1,0,1)の成績。連対率8割と聞けば、東京2歳優駿牝馬にこのコンビの馬が出走してきたら、もはや黙って買いということになる。

なーんて思ってたら、間もなく戸崎騎手がJRAに移籍してしまうんでしたね。そうなると来年の大晦日にコンビを組むことは難しい。東京大賞典の日に東京2歳優駿牝馬やってくれれば話は別なのだが。

いや、いっそのこと東京2歳優駿牝馬の大井でJRAとの条件交流競走をやってしまうのが良い。JRA側のいろんな事情もあるだろうが、たくさん在籍している馬の中には、この2週間の休みに体調を落としてしまう馬だっていることだろう。ほんの僅かだろうが、JRA金杯開催の除外ラッシュ緩和に役立つかもしれない。まあ、そこまでして戸崎騎手を東京2歳優駿牝馬に乗せることもないか。

キャロットファームの持ち馬ということを考えれば、JRAの桜花賞を目指すといいうこともあるかもしれず、そうなりゃ戸崎騎手が手綱を取ることもあるかもしれない。なんて、思ったのもつかの間、来春は南関東牡馬クラシック路線を進むことが発表された。桜とは無縁の「開花予想」になるかもしれないと思うと多少なりとも切ない思いがよぎるが、南関東の牡馬一戦級は道営時代に既に勝っているのだから、その選択にも頷ける。

レース後、4コーナーの向こうの空が、まるで炎が立ち上がったかのような色あいに染まった。まさか、この世の終わりか? いや、2012年の終わりですね。ではよいお年を。

Sora  

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2012年12月30日 (日)

熾烈な2位争い

Gf  

昨日の大井8レースは4番人気のスプレッドサウンド(真島大輔)が、1番人気タカオキセキをハナだけ差し切って優勝した。

直後に女優・香里奈さんのトークショーが控えており、観客もカメラマンも上の空だったようだが、いま思えばこのハナ差は大きかった。この時点で真島、森両騎手は今年169勝で並んでいたのである。わずかの差で真島騎手は170勝目を手にし、森騎手は1番人気馬で痛い星を落とした。

そして迎えた今日の東京シンデレラマイルで1番人気のライトレジーナに跨るのは、今年ここまで173勝の坂井英光騎手。条件戦を連勝してきた上がり馬。

水が浮かぶ不良馬場の牝馬限定戦である。「道悪は前から買え」。「牝馬は格より調子」。使い古された感もあるこうした格言に当て嵌まるのは、徹底先行の競馬で条件戦を連勝してきたライトレジーナをおいてほかにいない。

ところが、勝ったのは10番人気ミヤサンキューティであった。なんとその手綱は真島大輔騎手である。貴重な171勝目。明日の最終日を残して坂井、真島、森3騎手の勝利数は以下の通りとなった。

 坂井英光 173
 真島大輔 171
 森泰斗  170

なんて書いてみたが、これがリーディング争いなら俄然興味も湧くのだろうけど、彼ら3人の上には363勝の戸崎騎手がトップを独走しているのである。ダブルスコアがついたリーディング争いとなれば、盛り上がりに欠けるのも無理はあるまい。

とはいえ、来年3月からその戸崎騎手が移籍すると思えば、多少事情が違ってきやしないか。今年2位につけるということは、暫定1位の評価を得ることにもつながる。明日の最終日は3騎手の争いにも注目して見ることにしよう。

Rain  

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2012年12月29日 (土)

大井の素晴らしさ

Iwata  

東京大賞典の発走を控えた大井競馬場は、久々の大観衆で膨れ上がっている。有馬記念から中5日というカレンダーの良さに加えて好メンバー。入場者が3万5千を超えたのは、4年前のカネヒキリvsヴァーミリアン対決以来のこと。だが、私個人としては、大半の観客の目当ては、このあとプレゼンターとして登場する女優の香里奈さん目当てであろうと勘ぐっていた。

レースはローマンレジェンドが、直線力強く抜け出してGⅠ初初制覇。と同時に1番人気に推されながら4着に敗れたJCダートのリベンジを果たした。

よほど嬉しかったのであろう。ローマンレジェンドの岩田康誠騎手は両手を広げて喜びを爆発させ、さらに香里奈さんが姿を表すと満員のスタンドのボルテージも最高潮に達した。

これの時間帯が今日のピークであろうと決めつけていた私は、今なら空いているであろうと食堂へ。それまでの場内は、スタンドに足を踏み入れるのも躊躇われるほど大勢の客で溢れかえっていたのである。

ところが、東京大賞典が終わって11レースを迎えても、大半の客は帰ろうとしない。最終12レースでも「ちょっと減ったかな」と思う程度。「目当ては東京大賞典と香里奈さんだろ」と勝手に決めつけていた私にとっては意外なことこの上ない。なんと、最終レースのあとに行われるフリオーソとボンネビルレコードの引退式のために、大勢のお客さんが寒風をものともせずに残ってくれていたのである。

セレモニーでフリオーソとの思い出を語り始めた戸崎圭太騎手は、司会者に「フリオーソに何か言葉をかけるとしたら?」という質問に、思わず声を詰まらせた。スタンドのファンから「がんばれ!」の声が飛ぶ。フリオーソとの23回に及ぶレースのそれぞれを思い出す時間が必要だったのであろうか。隣に立たれたボンネビルレコードの塩田オーナーに背中を叩かれて促されると、「これから第二の人生を頑張ってほしい。お疲れ様でした」と絞り出し、そして涙をぬぐった。

寒い中わざわざ競馬場に足を運んだファンにとって、今日のハイライトがこの瞬間であったことは間違いあるまい。今日の主役は岩田騎手でも香里奈さんでもなく、実は戸崎騎手であった。己の不明を恥じるとともに、大井のファンと関係者の素晴らしさを改めて思う。良い引退式だった。

Tosaki  

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2012年12月28日 (金)

いろり家@東銀座

Hokke

 

ここに記載している店は、今のところいわゆる「大衆食堂」に偏っているので、どうしても店の雰囲気や安さ優先で、味は二の次ということになりやすい。店には失礼だが、わざわざ足を運ぶ価値もないと思う。だけど、今日紹介する東銀座『いろり家』は、過去に紹介した店とは一線を画する。いわゆる大衆食堂ではない。しかし、味も価格もホスピタリティも問題なし。むろん昼飯時には行列も覚悟しなければならない。

店のイチオシは脂乗りがよく、身が厚いことで知られる「小名浜伴助」の干物。炭火でじっくりと焼かれたホッケやサバは、箸をつけると脂がじわりと滲み出て、ふんわり柔らかな食感に旨味が凝縮されている。今日は12時半に店の暖簾をくぐったのに、人気のサバの干物は既に品切れであった。ゆえに写真はホッケである。

民宿の朝食のイメージが強いせいか、干物と聞くと安っぽいイメージを抱かれる方もいるようなのだが、それは本物の干物を知らぬからであろう。北大路魯山人をして「干ものの美味いのに当たったよろこびは格別である」(「魯山人味道」)と言わしめるほど。とにかく、美味い干物は手間がかかる。

加えてこの店の豚汁は最高に美味い。全日本2歳優駿の夜に川崎で豚汁を食べたといったが、味においても価格(昼のみ100円)においても、『いろり家』の方がサマリーズばりに抜けている。しかも嬉しいことにおかわり自由! これは、おかわりせぬ手はない。

東銀座から浅草線に乗って大井競馬場へ。縁のあるカットイッタウトが走る上、今年のトゥインクル開催の最終日ということで足を運んでみたのだが、あまりの寒さにスタンドから外に出られない。どうしようかと悩んだ挙句、「寒いときは豚汁」の格言(なのか?)を思い出して、Lウイング2F『松屋』で豚汁を買って食べたのだけど、なんというか…まあ…普通の味でした。最高の豚汁を食べたばかりだから、そう感じるのも仕方あるまい。カットイッタウトは2番人気に推されながらも12着に大敗。休み明けから減り続ける馬体が気になる。

Cut  

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2012年12月24日 (月)

普段と変わらぬ最終日

5r 

中山5レースの新馬戦は、1番人気コスモマートレットが余裕の逃げ切り勝ち。マイネルラヴ産駒の2歳としては13頭目の勝ち上がりとなった。この6月に早世してしまったことが、今さながら悔やまれる。

続く6レースも新馬戦。直線入口で抜け出したフクノカシオペアが、グリューネヴォッヘの追撃を凌いでデビュー戦を飾った。アフリートの2歳世代では3頭目となる勝ち上がり。そういやアフリートもシンジケートが解散して、種牡馬引退が伝えられたばかり。今日勝ち上がった2頭に向けられる期待は大きい。

6月2日に始まった「2歳新馬戦」はこれにて終了。年が明ければ「3歳新馬戦」となる。だが中には5ヵ月後に迫った次の2歳新馬戦を意識し始める人もいるのではないか。事実、馬主席での会話も1歳馬の話題が増えてきた。2歳競馬の開始が早まったことで、「3歳新馬戦」の立場が危うくなりかけているのかもしれない。

それにしても、今年最後の開催日であるはずなのに、今日の競馬の日常的なことといったらどうか。重賞のあった阪神のことは分からぬが、いつも通りに競馬場入りして、いつも通りに吉野家の牛丼を食らい、いつも通りに負けて、いつも通りに船橋法典駅から武蔵野線に乗って帰宅した。今年一年を振り返ることも年末の挨拶さえもないのである。

有馬記念当日は船橋法典駅が入場規制されるほど混雑するから、オケラ街道をトボトボと歩いて西船橋駅へと向かうのが通例。馬券で負けてうつむきながら歩くオヤジたちの姿は、端から見れば敗者の行軍であろう。だが、このとき私は、無事に“打ち納め”を終えて、こうして今年もオケラ街道を歩くことができたことを神に感謝するとともに、その喜びに浸っているのである。

そもそも一年間毎週競馬場に通い詰めることなど、天の御加護でもなければ成し遂げられるものではあるまい。長く競馬に携わっていれば多くの友人に恵まれるけど、その一方で失う友人もまた多いことが何よりの証拠だ。道を外すことなく、もちろん己の健康を損なうこともなく、一年間競馬場に通い詰めて、今年も有馬を終えることができたその喜びを噛み締める時間こそが、西船橋駅までの30分間なのである。それが今年は、特に何も考えることもなく、ポンと武蔵野線に乗ってしまった。

競馬に四季の移ろいを感じ、競馬に記憶を重ね合わせるのが好きな日本の競馬ファンは、ことのほかカレンダーに敏感であると信ずる。有馬翌日の開催は、そんなファンから年末の点景を、一部とはいえ消し去ってしまった。いつも通りの競馬を見終えて、「さあ次は金杯」と思いを新たにするのって、案外難しい。

6r   

 

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2012年12月23日 (日)

消えた総決算

Arima

有馬記念が最終日以外に開催されるのは、グリーングラスが勝った1979年以来だから、実に33年ぶりのこととなる。まだ有馬記念の歴史が浅かった当時は、一年の締めくくりは中山大障害と決まっており、有馬記念は12月3週目の日曜日の実施だった。今回は、有馬記念を一応の締め括りとして実施しながら、余韻冷めやらぬ翌日にアンコール開催を行おうというもの。明日の競馬にどれだけファンが関心を持ってくれるのであろうか。こればかりはやってみないとわからない。

例年ならば有馬記念のレースが終わり、口取りと表彰式がドタバタと展開し、ハッと気づけば最終レースの馬たちが馬場入場を済ませており、「これがライブで見る今年最後のJRAのレースだ」と気づいて、ロクに出走馬も確かめぬまま馬券を買いに走り、最終レースを見届け、「ああ、やっぱ当たらなかった」と頭を抱えながら「そうだ阪神がある」と慌てて阪神も買い、当然のごとくハズれ、いよいよ進退窮まって小倉の12レースにまで手を出し、ゲートが開く直前に「これがホントの最後だぞ」と思い直すあの刹那的な感慨を覚えることは、今日はついぞなかった。日常の競馬に戻る明日にも、おそらくあるまい。

明日も競馬があると思えば、西船での飲み会もいきおい控え目になる。だいたいが、翌日の競馬新聞を広げながらの有馬打ち上げというのは、当然のことながら初めての経験。フェアウェルステークスや阪神カップに酒席の話題を奪われてしまっては、既に終わってしまった有馬記念を語る時間などない。なんとなくゴールドシップに申し訳なく思う。

とにかく今日が今年のJRA開催最終日でないことへの違和感を訴える声が圧倒的だったのは確か。有馬記念を勝った内田博幸騎手も「今年の総決算」と言いかけて「今年のGⅠの総決算」と言い直したほど。彼も明日の1レースから都合9鞍に乗り馬が控えている。

とはいえ、開催があるならあるで嬉しいという声も聞く。おかげで名古屋グランプリや中島記念の馬券がI−PATで購入できるというメリットもまるで無視するわけにはいくまい。慣れれてしまえば大した問題ではないのだろう。そのためにも、明日も億劫せずに中山まで足を運ぶこととする。

Noel


  

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2012年12月19日 (水)

島田屋@川崎

Zennihon_2 

ついに全日本2歳優駿が通常ナイターにて実施されることとなった記念すべきその日が、よりによってこの冬一番の猛烈な寒波に見舞われるとはツイてない。気温4度。しかし、折からの北風により体感的には氷点下にも近いパドックに出走馬たちが姿を現しても、大半のお客さんはスタンドに閉じこもったまま。私もできることなら建物の外に出たくはなかったのだが、まあ、そうもいかない事情というものがある。

実は川崎競馬のハイライトシーンは、この全日本2歳優駿、正月開催、川崎記念、そしてエンプレス杯と続く真冬のシーズンに集中している。川崎の馬券作戦は、寒さとの闘いと言っても過言ではなかろう。防寒対策に万全を期するのは当然。ビールやサワーはほどほどに留め、おしるこや豚汁などで身体を温めることを心がけたい。

そんな酷寒の競馬を見事制して、ダート2歳チャンピオンの座に輝いたサマリーズは強かった。寒風を切り裂く1分41秒9。直線ではカラ馬に邪魔をされながら、それでも後続に3馬身差だから凄い。ダーレーのエース・フリオーソの引退が発表されたばかりだが、それに呼応するかのように次代のエース候補が誕生した。ただ牝馬だけに、当面の目標は芝の桜花賞に据えられている。

そそくさと競馬場を後にし、逃げ込むように飛び込んだ先は川崎駅近くの食堂『島田屋』。椅子に座るなり注文したのは、この店の名物でもある豚汁定食である。

寒稽古や寒中水泳に豚汁の炊き出しが欠かせぬのは、脂肪分が多い豚肉をたくさん使ったみそ汁が寒さ対策にうってつけのメニューだからだ。南極・昭和基地においてもダントツの人気メニューだと聞けば、その効能は推して知るべしである。

ここ『島田屋』の豚汁は、大きめに切られた豚肉や野菜がゴロゴロ入っていて、おかずとしても申し分ない。勢いで熱燗まで入れてしまえば、もう言うことはないのだが、そうなるともはや店から出られなくなってしまう。悩みどころですね(苦笑)
 

Ton

 

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2012年12月16日 (日)

殺し馬券

Roen  

少々物騒な言い回しだが「殺し馬券」なる馬券を買うことがある。

ここ一番、何を差し置いても勝って欲しいという馬がいるレースで、ライバルとなりそうな有力馬の単勝を買うのである。私の運の無さと馬券の下手さ加減とが、あまりに突出しているゆえに成り立つ馬券であることは言うまでもない。私が買う馬券がことごとくハズれるのならば、それを逆手に取って便利に使ってやろうという、まあ一種のおまじない。だが、これが案外結果を残しているのである。

問題は、どのレースを「ここ一番」と定めるか?ということだ。ほとんどのレースで殺し馬券を買っていては、遅かれ早かれ競馬というものがつまらなくなる。大きな記録のかかったレースや日本馬の海外遠征に帯同した時、むろん自分の所有馬が走るときが「ここ一番」に該当するだろうか。

ただし、海外では私の神通力も通じぬのか、購入した殺し馬券が当たってしまうことが間々ある。1995年9月にロンシャン競馬場で行われたGⅠ・ヴェルメイユ賞。日本から遠征したダンスパートナーへの応援のつもりで、最大のライヴァルである仏オークス馬・カーリングの単勝を買ったら、これが見事に圧勝してしまった。我が日本のオークス馬・ダンスパートナーはあろうことか6着。シクシク泣きながら僅かばかりの払戻金を受け取りつつ、海外GⅠの壁の高さを痛感したものである。

そのカーリングが日本に輸入され、持ち込み産駒となるローエングリンが重賞4勝を挙げて種牡馬となり、その産駒ロゴタイプがなんと朝日杯を勝ってしまった。世代サイクルのあまりの速さに戸惑うと同時に、あの日私の殺し馬券が功を奏してカーリングが敗れていたら、日本に輸入されることもなく、結果ロゴタイプも誕生していなかったかもしれない、などと自分勝手な想像を巡らせてみたりもする。

14番という不利な枠順をはねのけてレースレコードタイで駆け抜けたロゴタイプの勝利は決してフロックなどではあるまいが、圧倒的人気のコディーノに“不利”がなかったわけではない。新潟2歳Sの覇者・ザラストロにどうしても勝たせたい事情があった私は、実は朝日杯を「ここ一番」と見定め、1番人気コディーノの単勝を勝っていたのである。

まあ、「殺し馬券」云々は根拠もなにもない冗談に過ぎないにしても、GⅠの舞台で単勝1.4倍を打ち砕いたとなれば、「ひょっとして俺のせいか……?」などと、ついつい考えてしまうもの。朝日杯が東西統一の2歳チャンピオン決定戦となった1991年以降、ここで負けた馬がダービーを勝った例はないと聞けば、胸が痛まぬこともない。これ以上他人に迷惑をかけぬため、有馬記念で単勝馬券を買うことは自粛しようか。

Baken


 

 

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2012年12月15日 (土)

きよみ@築地

Dec_s_2
 

中山メインのディセンバーSは3歳馬ベールドインパクトが1番人気に応えた。

芝1800mのオープン特別というありきたりのレースの割に案外メジャーな地位を保っているのは、サイレントプライドやショウワモダンのようなマイラーが勝つ年もあれば、トウショウシロッコやケイアイドウソジンのような明らかなステイヤータイプの馬が勝つこともある、いわば距離適性の“潮目”的なレースゆえのことであろう。勝ったベールドインパクトは明らかに後者。ジョッキーも「距離が短かった」と苦笑いだったけど、菊花賞の3000mからいきなり距離が半分近くに短縮されれば、そりゃ馬だって慌てますよね。

さて、今日の中山入りは午後からで良いということだったので、途中ふらっと築地に立ち寄り、場外の食堂『きよみ』にて早めの昼飯を済ませてきた。塩サバと中落ち、小鉢、漬物、味噌汁にどんぶり一杯の白飯で920円。中落ちも最近では高級品だから、この値段とボリュームは有難い。

皮身もスジ身も何でもかんでも叩き込んだものを「中落ち」と称して売っていたりする昨今は、「えっ? これが中落ちなの?」と驚く人もいるようだが、これこそが中落ち。ただし、鮮魚店を営んでいた私の祖父は、三枚におろしたカツオの骨付きの部分を甘辛く煮たものを「中落ち」と呼び、マグロには「中落ち」という言葉を使わなかったように思う。そもそも中落ちは商品として流通するようなものではなかった。

ともあれ、スプーンでこそぎ取った独特の形をした身は、赤身ゆえのきっぱりした美味しさと、微妙な歯ごたえの妙が楽しめる。「中落ちは脂がのってうまい」と言ったりするタレントもいたりして困るが、人間であれマグロであれ脂というのは皮膚の直下にもっとも溜まるもので、身体の中心部に向かうにつれ脂分は少なくなる。赤身中の赤身の味わいをぞんぶんに堪能したい。

Kiyo  

【2013/3/15追記】

『きよみ』はお昼の営業を休止したとのことです。ご注意ください。

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2012年12月13日 (木)

キッチン岡田@西新橋

Miracle  

ベテランの競馬記者と西新橋の『キッチン岡田』で昼食。「キッチン」なんて言っても、ボリューム、値段、そして壁際に山と積まれた漫画を見れば「食堂」と呼ぶほうがしっくりとくる。人気メニューのハンバーグピラフを食べながら、昨日も書いたオッズの話で盛り上がった。

この店の近くにはウインズ新橋がある。2003年の宝塚記念で、ヒシミラクルの単勝に1200万円を突っ込み、2億円近くの配当を得た「ミラクルおじさん」が馬券を購入した売場だ。

それから遡ること5年。1998年の天皇賞(春)では、同じくウインズ新橋の前々日発売で、メジロブライトとシルクジャスティスの2頭の馬連を5500万円買ったX氏が巷の話題となったこともある。

前々日発売が行われた金曜午後5時の第1回オッズ発表で、メジロとシルクの馬連配当は110円。記録的な低さである。おそらく、この先も更新されることはあるまい。ちなみにメジロとシルクを含む枠連のオッズは140円だった。

そして迎えたレース当日の最終オッズでも、馬連140円に対して枠連は160円。逆転状態は解消しなかった。馬連の総売り上げは2億2357万円。X氏はその4割を一手に引き受けたことになる。結果はメジロブライトが優勝も、シルクジャスティスは4着に敗退。X氏が約8千万近くの配当を得ることはなかった。

ただ、この手の話がニュースとなるのは、場外馬券売り場に限られるような気がしてならない。というのも、競馬場の片隅では、この程度の勝負は日常的に行われているからである。

かつて「バブルの帝王」の異名を取った某馬主は、銀行員をお伴に連れて競馬場に通い詰め、1レースあたり数千万円単位で馬券を購入していた。傍らに立った銀行員が、アタッシュケースからやおら札束を取り出し、ひとつ、ふたつと、穴場に押し込むのである。傍から見ていてもノドが乾く光景であったが、それでも毎週見ていれば不思議と慣れてしまう。ただ、この馬主氏が払戻金を受け取るところを見たという記憶はない。税金対策かなにかで、どこか別の場所でコッソリ受け取っていたのだろうか? よくわからない。

ベテラン記者の話では、馬券を手押しのスタンプのような機械で売っていた頃、千円券売場の女性に「私が“いい”と言うまでスタンプを押していなさい」と言う有名な馬主がいたそうだ。「いい」という声が掛かるまでには、相当な時間を要した。だからそれを知っている常連たちは、その馬主の後ろには決して並ばなかったという。これも凄い話ですね。

トキノミノルが10連勝でダービーを飾ったとき、馬主の永田雅一さんは連勝を100万円的中させた。この年のダービーの1着賞金も100万円。もし現代で同じことをやろうとすれば2億円を穴場に突っ込むことになる。オッズが大きく動くことは避けられまい。

億までいかなくとも、1千万単位で賭ける人はこの不景気な今の世でもなお健在だ。一皿500円のハンバーグピラフを食べながらこんな話をしていると、しょせん我々のような庶民は、彼らが作り出したオッズという土俵の上で、ちまちまと遊ぶ存在でしかないのだなあと痛感させられる。

Okada_2


 
 

 

 

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2012年12月12日 (水)

オッズ逆転

Dream  

総選挙投票日が近づいて、外が騒々しいったらありゃしませんな。

むかし昔。小選挙区導入以前の総選挙で、いちばん年齢の若い候補にお情けの一票を投じたら、無名のその新人がトップ当選を果たしてびっくりした覚えがある。「穴のつもりで買った馬が意外な人気だった」というのは、決して珍しい話ではない。

先週日曜中山の10R・美浦ステークスは単勝9番人気ドリームセーリングが逃げ切り、2着も8番人気マイネルグートが2番手からそのままなだれ込んで馬連は50760円の大波乱。だが、どよめきは次の瞬間に起きた。発表された馬単の配当額が32600円でしかなかったのである。

普通に考えれば馬連よりも馬単の方が配当は高い。人気的に似たような立場の2頭の組み合わせだから、馬単は馬連の倍程度、ざっと10万円前後になると考えるのが普通だ。なのに、逆に馬連配当より2万も少ないのだから馬単を持っていた人は相当頭にきたことであろう。「八百長じゃないのか?」という声さえ聞こえてきた。

だが、過去に似たような例がなかったわけではない。1957年の桜花賞。勝ったミスオンワードの単勝は100円の元返しだが、複勝は単勝を上回る110円をつけた。「たかだか10円だろ」と言う向きには1983年9月24日函館1Rのケースはどうだろうか。芝1200mの3歳未勝利戦を勝ったイソスミレの単勝は400円だったのに、複勝はなんと890円もつけたのである。

タネを明かせば、函館で複勝オッズの表示が始まったのは翌84年からで、「複勝党」たちは手さぐりで馬券を買っていたことによる。裏開催の最終週で、しかもあいにくの雨模様。複勝全体の投票総数もさほど多いとは思えず、結果として摩訶不思議な配当が生み出された。

先日の中山・美浦ステークスにおいて、馬単全体に投じられた票数は753886票。うち、的中の6→9は1707票で、その配当が32600円であった。仮に的中票数が500票なら配当は10万円に達していた計算になるから、紛れを生み出したのは上乗せされた1200票余りということになる。金額にすれば12万円程度。「行った行ったの2頭」というキーワードに惹かれた人が数人揃えば足りる。ましてや10万円程度ならば、誕生日とか出目といったいい加減な理由で、だれか一人が買ったとしてもさほど驚くことではない。

イソスミレの当時とは異なり、馬券の種類が飛躍的に増えた現代では、賭式ごとのパイは思いのほか小さくなっている。さらに全体的な売り上げの低迷が加わって、穴馬券になるほどオッズの逆転現象は起こりやすい。「八百長」とか「JRAの陰謀説」を唱える人が現れるのは今も昔も変わりはないが、リアルタイムのオッズが公表されている現代のファンは恵まれている。

Odds  

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2012年12月 9日 (日)

あまから屋@船橋

Egg  

JR船橋駅と京成船橋駅との間、どちらの駅からも徒歩1分ほどの距離に、知る人ぞ知る『あまから屋』という大衆食堂がある。

朝7時から暖簾を掲げ、土日も営業(木曜定休)という競馬ファンには嬉しい経営スタイル。店主も競馬ファンらしく、仕事の合間にはスポーツ新聞や「Gallop」誌のチェックを欠かさない。むろん土日ともなれば、店内のTVは競馬中継を流し続けることになる。

昭和のまま時計が止まっているかのような店の雰囲気同様、メニューもノスタルジックそのものだ。中でも人気はハムエッグらしく、これを目当てにわざわざ遠方からやってくる客もいるのだという。タマゴ2個とハムが1枚分で250円。ごく普通のハムエッグなんですけどね。何が流行るか分からぬご時世ではあるが、私もハムエッグとライスを注文。ハムエッグをそのままライスに乗せれば、これまた知る人ぞ知る「ハチクマライス」の完成である。

「ハチクマライス」とは、八木良司オーナーの所有馬に熊沢騎手が跨ったタガノフォーティ的なご飯……というわけでは当然ない。かつての国鉄の乗務員が、ご飯の上にハムエッグを乗せて食べてた“賄い食”のこと。落語に出てくる「はっつぁん」と「クマさん」のような庶民的な食べ物ということでこの名が付いた。気取らぬ美味さが楽しめるのも、こうした食堂の魅力のひとつ。敢えてこの店の難点を上げれば、中山競馬場への微妙なアクセスの悪さか。京成利用で東中山から歩くのも長いし、JRで一駅乗って、武蔵野線に乗り換えてまた一駅というのも、いかにも面倒くさい。

メインのカペラSはタガノフォーティの近親ということで、人気のスリーボストンから攻めてみたのだが、あろうことか13着に大敗してしまった。さして厳しい流れでもなかったのに、上がりに出走全馬ワースト2の37秒3を要したのはいったいどうしたことか。でもそういえば、タガノフォーティも1番人気の平安Sで途方もない惨敗を喫したりしてましたね。

勝ったのは後方2番手追走のシルクフォーチュン。直線だけで14頭をまとめて抜き去ったその末脚は、さすがはGⅠ2着馬と思わせるものがあった。

Silk  

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2012年12月 5日 (水)

宮本食堂@船橋

Saba  

船橋競馬場のほど近くに『宮本食堂』という看板を掲げた食堂がある。

全国展開している「まいどおおきに食堂」グループの一店舗だが、そこで味わえるのはチェーン店にありがちな無個性な料理ではなく、「食堂」の名に違わぬまさにお袋の味。働いているのが中高年のおばちゃんばかりなのは、この店舗に限ったことではない。「お袋の味を提供するにはおばちゃんが一番」という社長の方針だそうだ。なんと80歳過ぎのおばあちゃんも働いている店もあるとか。

写真は言わずと知れた煮鯖。好きな皿をショーケースから好きに取って行くシステムなのだが、胃袋に訴えてくる“照り”につい手が伸びてしまった。聞けばナンバーワンの人気メニューだという。

お腹いっぱいになって迎えたクイーン賞は、レッドクラウディアが圧巻の逃げ切り勝ち。プラス9キロの馬体重が示すように伸び盛りの3歳馬。パーソナルラッシュ、バンブーエール、そしてラヴェリータといったダートの猛者を輩出してきた昇竜Sの勝ち馬だと思えば、軽視は禁物であった。

Red 

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2012年12月 2日 (日)

三幸@中山競馬場

Shiruko  

師走の声を聞いた途端、中山競馬場は真冬の寒さに見舞われた。わずか一週間のブランクしかないのに、開催替わりは絶妙だ。東京競馬場の吹きさらしのスタンドでは、大半の人は10分も我慢できまい。こんな時は、おしるこでも食べながら、レースのとき以外はスタンドに引きこもっているに限る。『三幸』の「田舎しるこ」は、ほどよい甘さのお汁粉に大きなお餅が入って360円。温かいだけでなく腹持ちも良い。

もぐもぐとお餅を食べながら迎えた霞ヶ浦特別は、先手を取ったアドマイヤジャガーが餅のごとく粘って伸びて勝ってしまった。今をときめくコディーノの従兄弟。とはいえ、前走でデムーロが乗って13着となれば単勝11番人気も仕方あるまい。田中勝春騎手の思い切った逃げが大きなハナ差勝利に繋がった。

先月一か月間で4勝しかできなかった田中勝春騎手なのに、中山に変わったこの2日間でいきなり4勝だから凄い。これで49勝。デビュー3年目から毎年50勝以上をマークしてきたが、とうとう今年はダメかも…、と思わせたところから一気にリーチをかけてきた。「夏男」のイメージがある彼も、実は金杯3勝など冬の中山にもめっぽう強い。

そんなカッチーもいつの間にか41歳。減量に苦労しているという話は聞かないが、それでも炭水化物は控えるようにしているとか。特にお米の類はあまり口にしないそうだ。でも、シルクジャスティスが勝った有馬記念の直後の忘年会でご一緒したときは、つきたてのお餅を「美味い美味い」とバクバクと食べていたから、決して嫌いではないのだろうと思う。ひょっとしたら、お餅を食べている私の姿を馬上から目にして、悔しさのあまり逃げ切りを果たしてしまったのだろうか? だとしたら、図らずしも大波乱の片棒を担いでしまったことになる。皆さんに申し訳ない。

フルゲート続出で波乱必至の師走の競馬を「餅つき競馬」などと呼んだのはもう遥か昔の話だが、この土日に関して言えば、餅つき競馬の名残をちょいとだけ垣間見た。馬券は小さく勝負ですね。

Katsuharu  

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2012年12月 1日 (土)

障害三昧

Jump  

馬事公苑で行われている第4回・JRAジャパンブリーディングホースショー(内国産馬限定馬術大会)に出掛けたところ、普段の大会よりも俄然お客さんが多いので驚いた。

ロンドン五輪日本代表・布施勝選手の演技を一目見たいというファンが大挙駆け付けたのであろうろうか。だとしたら我が国の馬術競技も、いよいよその人気が根付いたといえよう。寒い中わざわざ足を運んでくれたのだから、世界レベルのテクニックを存分に堪能していってもらおうではないか。

   な~んて思ってたら、実際のところはサクセスブロッケンを目当てに来ているとのことでした。なるほどね。フェブラリーSなどGⅠ級3勝馬が出場するとなれば、そりゃあ競馬ファンとしても放っておけまい。でも、そのついででいいから、布施選手を始めそのほかの人馬の競技もじっくり見ていってくださいね。私はサクセスブロッケンの競技の前に失礼して、中山に向かいます。

雨の中山に到着するとペガサスジャンプステークス発走のファンファーレ。飛越競技を見てきたばかりの目には、ハードル競走を見ているような錯覚にも陥りますな。ともあれ、昨年は2着だったマジェスティバイオが今年は完勝で、障害レース7勝目をマークした。

札幌での新馬戦は8着。モズ(札幌2歳S・2着)やヤングアットハート(白富士S)などに大きく離されたデビュー戦から3年半後にこれほどの活躍を果たすと予見した人が、果たしてどれだけいただろうか。障害飛越に求められる能力は、平地競走のそれとはやはり異なるのだと痛感させられる。こうなったらサクセスブロッケンもゆっくりじっくり精進して欲しい。

ちなみに、サクセスブロッケンはJRAジャパンブリーディングホースショー2日目の明日も馬事公苑グラスアリーナに登場予定。興味のある方は行って見ると良い。

Bio

※冒頭の写真はサクセスブロッケンでも布施選手でもありません

 

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