2018年2月23日 (金)

苦渋の決断

「イソソルビド」

この苦い薬をメインに「メリスロン」など計4種類の薬を飲み続けること2週間余り。めまいの症状が思うように改善しない状況を踏まえ、ついに重い決断を下さざるを得なくなった。

津村への乗り替わりである。いや、ツムラの漢方への薬替わりである。

苦い苦いと文句を言いつつ、1日3回の顔合わせを2週間も続けていれば、多かれ少なかれ愛着も湧いてくる。いざお別れとなると、ちょいと寂しい。結果が出なかったのは、ひとりイソソルビドのせいではなく、私の身体のせいかもしれないのに……。

―――なんて考えるうちに、以前沖調教師に聞いたナリタトップロードの乗り替わりの話を思い出した。

2000年の暮れ、5歳(現表記では4歳)のナリタトップロードはステイヤーズSに出走してきた。いつものように渡辺薫彦騎手の手綱。菊花賞馬の看板を思えば、単勝1.3倍の一本被りも仕方あるまい。しかし、あろうことか4着と敗れた。大一番の有馬記念を前に、沖調教師はついに乗り替わりを決断する。指名されたのは有馬記念2連勝中の的場均騎手だ。

当時、渡辺騎手は中山コースで一度しか勝ったことがなかった。それがナリタトップロードで勝った前年の弥生賞である。しかもその弥生賞が中山コース初騎乗だったほどだからコースへの不安は大きい。一方の的場均騎手は関東のトップジョッキーのひとり。当然、中山のコースは熟知している。それでも当時はこの乗り替わりに驚く人が少なくなかった。ミルコ・デムーロ騎手でさえGⅠを前に普通に降ろされる現在のご時世からすれば、ちょっと想像が難しい。

しかし、沖師は渡辺騎手を完全に見捨てたわけではなかった。的場騎手は、既に調教師試験に受かっていて、翌年2月での騎手引退が決まっている。いわば期間限定の乗り替わり。このまま渡辺騎手が手綱を取り続けても同じことの繰り返しだろうから、一度離れたところからトップロードのレースを見届けさせようという作戦だった。

ナリタトップロードは的場騎手の手綱で有馬記念9着。続く京都記念でも3着と勝つことはできなかったが、渡辺騎手に手綱が戻った阪神大賞典では後続に8馬身差をつける圧倒的なレースで優勝を果たした。3分2秒5は当時の世界レコード。調教師となった渡辺師は、この阪神大賞典こそが「ベストレース」と言って胸を張る。そんなパフォーマンスを生み出したのも、沖調教師が下した苦渋の決断のおかげかもしれない。

Toproad 

そんなことを思い出しながら、新しい薬「五苓散(ごれいさん)」の粉末を飲んでみた。

……甘い。

以前の薬が苦かったせいか、異様に甘く感じる。嗚呼、イソソルビドの、あのコールタールを思わせる喉の感触と苦味が、今となっては懐かしい。

 

***** 2018/02/23 *****

 

 

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2018年2月22日 (木)

鼻、目、耳ときて次は……

昨日と今日の大井では7名の騎手が騎乗不可となった。騎手変更は2日間合計で33頭にも及ぶ。金盃でも4頭が乗り替わり。騎手の技量込みで前売り馬券を購入していた人には、気の毒と言うほかはない。

Henkou 

これだけ大量だとインフルエンザの蔓延を疑いたくもなる。だが実際にはインフルエンザは一人もいなかった。大半は「腰痛」や「負傷」。真島大輔騎手の「腎機能障害」はちょいと心配になる。本田正重騎手の「出走投票不備」は調教師が本人へのきちんと伝達していなかったというもの。だが、私がもっとも気になったのは、御神本訓史騎手の変更理由。なんと「めまい」だそうだ。

ここで私事を書く。おかげさまでMRIの結果がシロではあったが、それで私のめまいが消えたわけではない。内耳由来であろうことが分かっただけ。ちなみに今日は絶不調の一日だった。立てばめまい、座れば吐き気。すっきりしないまま過ごしたが、倒れるような大きな発作は先週土曜を最後に起きてない。それを頼みに薬を飲み続けている。

身体や目を疲れないこと。そして急に頭を動かさないこと―――。

知り合いのお医者様からめまい防止のアドバイスをいただいた。たしかに思うところはある。最初の発作に見舞われた前日は、終電まで飲んでいた。たしかその前日も飲み会だったと思う。しかも、どちらも私にしては珍しい付き合い酒。身体の疲れに気疲れが重なったのだろう。パソコンやスマホの画面を見ているだけで気分が悪くなるのも、それだけ目を酷使しているからに違いない。とにかく疲れは禁物だ。

今日が不調だった原因は、ひょっとしたら昨日の大井で知らぬ間に疲れを溜めてしまったせいだろうか。久しぶりの競馬場で、ちょいとはしゃいでしまった感は否めない。そもそも私は、普段の生活の中で疲労の度合いを意識することがなかった。むしろ疲れているのがデフォルトだった感もある。24時間365日いつも疲れっぱなし。それで当たり前。それを改めるのは簡単ではあるまいが、やるしかない。

アドバイスの二点目についても心当たりがある。先週土曜の平昌五輪カーリング女子のOAR戦第7エンド、背後のTVから聞こえた「ニッポン3点スチール!」という実況アナの声に「なにぃ!?」と振り返った途端、脳みそまでグワンと回転して、そのまま床に倒れた。その後しばらく頭の中が4回転トゥループ状態。羽生選手の三半規管はいったいどうなっているのだろうか。

分かっているつもりでも、頭を動かさないというのは案外難しい。名前を呼ばれれば咄嗟に振り向くし、トイレで用を足したあとも、つい反射的にサッと立ち上がってしまう。馬に乗るなど論外。三半規管の悲鳴が聞こえてきそうだ。

5年前から緑内障を患い、三十年来の花粉症でこの季節は鼻も役に立たない。そしてついに耳の病気まで抱えてしまった。となれば次は口の可能性が高い。そういえば最近虫歯でもない歯が痛む。よもや何かの予兆ではあるまいな……。

 

***** 2018/02/22 *****

 

 

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2018年2月21日 (水)

著変なし

MRI検査の結果説明を受けるため大手町へ。ありがたいことに「著変なし」との診断をいただいたので、すぐさま大手町から大井町へと急いだ。

Ooi 

馬場改修工事が完了し、黄色く生まれ変わったダートコースで行われるのは、歴史と伝統の重賞・金盃。私にとっては、これが今年最初の南関東重賞ということになる。重賞でないと顔を合わせぬ人もいるので、これが新年初顔合わせ。いやぁ、明けましておめでとうございます。

久しぶりに馬券も買ってみようか。実は先週末のJRAのレースをTVで観ていて思うところがあった。フェイムゲーム、トリオンフ、そしてノンコノユメ。牡馬混合の重賞レースが3鞍すべてでセン馬が優勝したのである。それを本稿では「(平昌五輪で)金だ、金だと騒ぐ世間に対する反発」と書いた。折しも今夜のスピードスケート女子・チームパシュートでは、日本の金メダル獲得が期待されている。再び世間が「金!金!」と騒ぐようなら、今日もセン馬が激走するに違いない。なにせレース名からして「金」盃である。

よって馬券はご覧のとおり。ユーロビートとオリオンザジャパンのセン馬2頭で勝負。

Baken 

しかし競馬はそんなに甘くはない。日がな一日、寝るかTVを観るかの半月を過ごしたせいで、そんな基本的なことすら忘れていた。2番人気に推されたユーロビートだったが、2周目の向こう正面から徐々に後退。馬群から大きく離されて3コーナーを回ると、4コーナーで競走を中止してしまったのである。その瞬間、思わずめまいを覚えて馬場に倒れそうになった。ただし、これは例の発作ではない。

Kinpai 

勝ったのはクラージュドール。南関東移籍15戦目にして、嬉しい初タイトル。と同時に、大きく出遅れて3着に敗れた昨年の雪辱も果たした。母レクレドール(金の鍵)、祖母ゴールデンサッシュ、そして伯父にステイゴールド。もとより「金」盃には縁があったわけだ。

気になるのはユーロビートである。止まり方からして大きな心配はないと思うが、もし私の馬券が原因なら申し訳ないことをした。彼にも「著変なし」の診断が下りることを願う。めまい発症後は妙に馬券が当たってそれが不気味だったのだが、今日の結果を見る限り、体調の方も回復傾向にあると思ってよさそうだ。

 

***** 2018/02/21 *****

 

 

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«同着の安堵感