2018年7月20日 (金)

ヨシダの美味しい水

暑さの話を続ける。でも今日は水の話。

こう暑いと屋内にいてもこまめに水分を補給しなければならない。ゆえに私もペットボトルの水を買って飲む。1日あたり1リットル。金額的には150円程度といったところか。コーヒーに比べれば安い。だが昔を思えば高い。私が子供の頃は、金を払って水を買うことになるなんて思いもよらなかった。

最近は聞かないが、こうしたペットボトル入りの飲料水を、昔は「ミネラルウオーター」という特別のネーミングで呼んだ。今では「水」。それで完結している。むしろ水道の水を「水道水」と呼ぶことが増えたのではないか。飲むための水は買うもの。それが当たり前になった。

ともあれミネラルウオーターは高かった。勇気が必要な行為を「ミネラルウオーターで歯磨きをするくらい」と喩えたほど。そんな時代の1984年には、スプリングSに備えて美浦トレセンに入厩してきた関西馬・ゴールドウェイがミネラルウオーターを愛飲しているということで話題となった。人間でも贅沢なミネラルウオーターを馬が!―――ということである。

今もそうだが、美浦界隈の水道水は霞ヶ浦が取水元。地下水を使う栗東に比べてはるかに黴臭く、美浦に連れて来られた関西馬の中には、まったく水を飲もうとしない馬も珍しくは無かった。

そんな理由で馬が体調を崩されては元も子もない。ましてや一生に一度のクラシック戦線である。それでゴールドウェイの小林広仲オーナーが大量のミネラルウオーターを差し入れたというワケ。「1日に飲む水の量は18リットルで、その費用は6千円」と当時の記録に残るから、1リットルあたり333円ということになる。やはり当時のミネラルウオーターは高かった。

ところで現代のミネラルウオーター・ブランドのひとつ「い・ろ・は・す」には、全国6箇所の取水地があるらしい。販売元のホームページにそう書いてある。

そのうちの1箇所が北海道札幌市清田区。深さ300mの地下から汲み上げられた地下水が、道内で販売される「い・ろ・は・す」になる。「このあたり一帯は『支笏火山噴出物層』という火山灰地であり、長い年月をかけて不純物が取り除かれ、とてもおいしい水が採水されます。」とのことだ。

Kiyota 

工場の隣には小さな用水路が流れている。その名も「吉田用水」。明治期にこの地に入植したある人物にちなんで名付けられたそうだ。

現在の月寒から清田、北野、大谷地一帯の広大な農地を耕すために、長さ5キロにもおよぶ用水路を完成させたその人物こそ、吉田善太郎氏。すなわち社台ファームの創設者・吉田善哉氏の祖父であり、吉田照哉、勝己、晴哉3兄弟の曽祖父にあたる人物。それを知らされた勝己氏は俊介氏と共に現地を訪れた。「吉田善太郎」の名が刻まれた記念碑を前にいたく感動したという。

Irohasu 

社台グループの牧場ツアーでは、2日目の朝に「い・ろ・は・す」が参加者全員に配られる。「社台グループゆかりの地の水を味わってほしい」。そう願う吉田家からのメッセージであろう。そう思いながら飲む水の味は、また違って感じられるものだ。

 

***** 2018/07/20 *****

 

 

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2018年7月19日 (木)

懐かしの夏痩せ

今日は京都市で39.8度を記録。全国の猛暑日地点数も206地点にのぼり今年最も多かった。ともかく暑い日が続く。みなさまも体調にはくれぐれもお気をつけください。

その一方で、巷では「夏痩せ」という言葉は死語になりつつあるようですね。

夏の暑さそのものは以前よりも厳しくなっているけど、生活の中で暑さにさらされる機会が減っているから、食欲が減退することもない。かく言う私はこの半月あまりでさらに2キロくらい太った気がする。

いや、ちょっと待て。「メシを食べる暇もないほど忙しい」と言ってたじゃないか!

そんな指摘もあるかもしれない。だが決して嘘ではない。実際に昼メシを抜くことは何度かあった。だが、その一方で昼を抜いたら、夜は普段の3倍を食べることにしているので、結果的に飯を抜けば抜くほど私は太ってしまうのである。

昨夜も丸の内での宴席を終えた帰宅途中に競馬関係者とばったり出会い、それなら軽く飲もうかと入った店で、あろうことか子羊のローストと大盛リゾットを注文してしまった。しかも帰宅後には先日お中元でいただいたばかりのケーキを一箱食べ尽くすという暴挙。これで太らぬ方がおかしい。猛暑をものともせぬこの食欲はいったいどこからやってくるのか。夏と言えば「夏痩せ」が普通だったあの頃が懐かしい。

その競馬関係者は、先日のプラチナカップで3着したインフォーマーを買い損ねて万馬券を取り逃したのだそうだ。私と同じくハナっからインフォーマーには目を付けていたのに、土壇場で買うのをやめてしまったのだという。

その理由はマイナス11キロの馬体重。「絶対に夏負けだろうと思ったんだがなぁ…」。彼は悔しさを隠そうとしない。

Informer 

最近は馬たちの住環境も改善されたから、以前より夏負けする馬も減ってきている可能性はある。「馬体を大きく減らした馬は用無し」なんて夏競馬の格言を信じながら馬券を買ってきた我々世代にはまさに身も痩せる思いではあるが、「思い」だけで実際には痩せることもない。どちらにせよ困ったことである。

 

***** 2018/07/19 *****

 

 

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2018年7月18日 (水)

うどんと団子

大手町から浦和競馬場に向かう場合は、西日暮里で地下鉄からJRに乗り換えるのが普通。そのせいか駅の外に出たためしがない。ところが一昨日、プラチナカップの発走までにはまだ大幅に時間があったことから、猛暑をも厭わずぶらりと外を歩いてみた。

するとさっそく舎人ライナーの駅近くに「うどん」と大書きされた暖簾を発見。看板には『讃岐ぶっかけや』とある。しかも昼時を過ぎたというのに店内はほぼ満席ではないか。これは当たりの店に違いない。暑さにやられているようでも、うどんの鼻は利くのである。

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店内は10人掛けの大テーブルが2つと6人掛けのテーブルがひとつ。そこを相席するスタイルは神保町の『丸香』にも似る。屋号に従って鶏天ぶっかけを注文。すぐに出てこないということは茹でたてを食わせてくれるということであろう。これは期待が高まる。

10分ほど待たされて出てきた一杯は、期待通りの美味さであった。

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四角い麺はラインもくっきり美しいのに、どこまでもしなやかなコシをたたえている。噛めばもっちり、啜ればびよーん。讃岐においてこれほどの愉悦はあるまい。大盛にしなかったことを若干後悔したが、それは次回の宿題にとっておこう。

道潅山通りに面したJR西日暮里駅の改札をくぐると、「羽二重団子」の売店があることに気付いた。

江戸っ子にはおなじみ日暮里のお団子屋さん。その創業は文政二年(1819年)というから、来年には200年を迎える老舗中の老舗で、夏目漱石の「吾輩は猫である」や正岡子規の俳句などに登場することでも知られるが、西日暮里の駅構内にひっそりと売店を開いているとは知らなかった。

競馬関係者にとってダンゴは縁起物。予想に使われる◎○▲△の印が「ダンゴ」と呼ばれるからにほかならない。由来はもちろん予想欄に並んだその形状が串に刺した団子の形に似ているから。ゆえに競馬記者は「ダンゴ打ち」とも呼ばれる。

予想を印で表現するのは日本独自のスタイルらしい。欧米の競馬新聞では馬ごとの単勝オッズが記載される程度。だが、日本が世界に誇るこの文化も、考案者が誰なのかをはじめとしてその歴史は明らかになっていない。JRAのベテランによれば、「学校の通信簿をヒントにした」という説もあるそうだ。もしそれが本当だとすれば、予想欄を見る目も少しは違ってくる。己の通信簿を世間に晒される馬たちは、なんとも気の毒でならない。無印の馬をやたら応援したくなるのは、そのせいであろうか。

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そんなことを考えながら団子を齧る。ここの団子は平たい形状と羽二重のような滑らかな舌触りがウリ。やはりうどんは大盛にしないで正解だった。同じダンゴでも羽二重団子は余計なことを考える必要がなくて良い。

 

***** 2018/07/18 *****

 

 

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